痛む体を笑いたい
体は私にいろんなことを訴えかけてくる。
頭痛や腹痛はもちろん、微熱が出ることもある。
皮膚がピリピリ痛むことも。
体の節々が痛むことも。
上半身の筋肉が痛んでどうしようもなく辛かったり。
足が異様に浮腫んで歩くのも嫌になったと思ったら。
体の一部分だけが急に乾燥して痒くて痒くて何にも集中できなくなったりもする。
中でも困るのは口の中の異常。
初めて歯茎が痛くなったのは大学受験を控えた高校三年生の冬。
受験以外にも家族との関係についても悩んでいた。
そんな時に幼いころから一度も痛んだことなどなく、これだけが私の唯一の取り柄だと思っていた歯が痛みだした。
模試の結果は右肩下がりになり、両親のおせっかいも限界に達していて自己肯定感が下がりに下がった状態の私には、「虫歯になったことがない」ただそれだけの事が自分を褒められるただ一つの砦だったのだ。
虫歯になったかもしれないという事実に怯え、勝手に自分を追い込んでしまっていたが痛みは増す一方。
このままでは神経にまで到達して取り返しのつかないことになってしまうかもしれないとなんとか勇気を振り絞り医者に言ったら、大丈夫歯茎が腫れてるだけだよ。
あっけなく、ストレスだねと言われた。
拍子抜けしてしまった。
昨年も仕事で追い込まれている時口腔内のあらゆる箇所が痛くなって半ば泣きながら歯医者に駆け込んでも、困った顔をする若い医師。
体はなー---んにも悪くないのに、何かに限界を感じて体が勝手に自分を休ませようとしているのだなと悲しい気持ちになった。
けれど、痛いことに対して悲しい気持ちになる必要はない。
脳が勝手に限界と思っていることを気のせいと笑ってやればいいのだから。
今感じている体の痛みも、どうせ気のせいなのだろう。
それでも痛みを感じるからには眠れない。
長い夜になりそうだ、